【2024年3月29日更新】スマホ用イメージセンサースペック一覧

表の見かた

・表をスクロール、もしくはスワイプすると、隠れている部分を読むことができます
スマホでは見にくいため、この表はPC/タブレットでの閲覧を推奨します

・搭載機種は基本的に発売日順に並べています

・搭載機種の多いイメージセンサーには、表の高さ制限を設けています。対象の搭載機種の横にあるスクロールバーで操作するか、スマホ/タブレットの場合はスワイプすると隠れている部分を読むことができます

・イメージセンサーのスペックは公表されないことも多いため、この表が100%正確とは言えません。

SONY IMX

SAMSUNG ISOCELL

OMNIVISION

用語解説

・センサーサイズ

センサーサイズとは、デジタルカメラやビデオカメラなどの撮影機器に搭載されている撮像素子（イメージセンサー）の物理的な大きさのことを指します。

一般的に、センサーのサイズが大きいほど受け取る光の量が多くなり、暗い場所での撮影や高画質の映像を撮影することができるようになります。また、センサーのサイズが大きい場合、写真の背景の自然なボケ効果が得られやすくなるなど、表現の幅が広がります。

・ピクセルサイズ
イメージセンサーの1画素あたりの大きさです。大きいほど受光面積量が増え、高感度性能が良くなります。
また、大きいほどダイナミックレンジが広くなり、白飛び・黒潰れに強くなると言えます。

・ピクセルビニング
高画素イメージセンサーで用いられ、複数のピクセル(画素)を1つにまとめる技術です。
スマホでは、32MP / 48MP / 50MP / 64MPなどのイメージセンサーが 4in1 (4つを1つにまとめる)。
108MPは9in1、200MPは16in1ピクセルビニングを実行します。(108MPでは、一部4in1のイメージセンサーもあります)
ピクセルビニングをすることで全体の画素が大型化し、感度・ダイナミックレンジが向上します。

・FWC (Full Well Capacity / 飽和容量 / 飽和電荷量)
FWCとは、ピクセルが受光した電荷を格納することができる最大容量のことを指します。

FWCが大きいほど、ピクセルが受光した電荷を正確に表現できる範囲(ダイナミックレンジ)が広がります。一方で、FWCが小さい場合、ピクセルが受光した電荷が多くなりすぎると、それ以上の電荷を格納できずに正確なデータが得られなくなることがあります。(露出オーバーなど)

FWCはカメラの性能を決定する重要な指標のひとつであり、動画撮影や高感度撮影などの用途で重要な役割を果たします。

・Dual PD
左右2つのフォトダイオード(PD)を1つのペアとして画素を形成し、オンチップレンズ(OCL)を共有構造とすることでそれぞれのPDに別々の入射光が入り、位相差検出が可能になります。
画像信号として使う際には左右で得た情報を合算して位相差の影響を打ち消します。

・OctaPD
Quad Bayer (4in1ピクセルビニング) イメージセンサーにおいて、DualPD方式を掛け合わせたオートフォーカス技術です。
HDR動作時、長時間露光・中時間露光・短時間露光の全ての画素で位相差検出が可能なのはOctaPDだけの特徴です。

・2×2 OCL
Quad Bayerイメージセンサーにおいて、1つのOCLを4つの画素で共有します。
DualPDの「画像信号として使う際には左右で得た情報を合算して位相差の影響を打ち消す」という動作が不要なため、解像度を高めやすいことがメリットです。

・2×1 OCL
イメージセンサー上の一部の画素をAF用として使用し、1つのOCLを2つの画素で共有します。
左右の位相差検出を行い、すばやくフォーカスを決定します。

・Super PD
イメージセンサー上の一部の画素をAF用に使用しています。
構造的には2×1 OCLと全く同じと言っていいほどよく似ており、1つのOCLを2つの画素で共有する構造になっています。

・Double Super PD

Double Super PDは、「Super PD」を2つ組み合わせた構造を採用しています。この構造により、従来のPDAF技術と比較して、被写体の位置検出の精度が向上し、低照度下でも高速で正確なオートフォーカスが可能になります。

また、Double Super PDは、フォーカス位置の検出だけでなく、被写体の距離情報も同時に取得することができるため、被写体追従性にも優れています。これにより、高速移動する被写体を追従しながら、正確にフォーカスを合わせることができます。

・SuperQPD
1つのOCLを4つの画素で共有し、縦方向・横方向の両方の位相差を検出します。
現状では200MPイメージセンサーのみで搭載されています。

・Dual Pixel Pro
従来のDual Pixelでは全ての画素は左右に分割されていましたが、Dual Pixel Proは緑の画素を斜め方向に分割。
これにより、左右の位相差検出だけでなく、上下方向の位相差検出も可能になっています。

・DOL-HDR
長時間露光/短時間露光の写真を順に撮影し、HDR合成する機能です。

・Clear HDR
Dual Conversion Gainに対応したイメージセンサーで、HighゲインとLowゲインを同時に取得し、HDR合成します。
Staggered HDRやDOL-HDRよりも高速で、アーティファクトが出ないことがメリットです。

・Staggered HDR
DOL-HDRのSAMSUNG版です。

・Stagger HDR
DOL-HDRのOmnivision版です。

・Smart-ISO Pro
Clear HDRのSAMSUNG版です。

・Inter-Scene DCG
HighゲインとLowゲインを取得して合成しますが、Clear HDRやSmart-ISO Proのように同時出力をするわけではなく、順番に取得するのでアーティファクトが出やすいです。

・DCG-combined
Clear HDRのOmnivision版です。

・2×2 ML (2×2 Micro-Lens PDAF)
イメージセンサー上の画素の3%～6%をPDAFに使用。
2×2 MLは1つのOCLを4画素で共有するので2×2 OCLと似ていますが、2×2 OCLはあくまでSONYの全画素AF技術であり、2×2 MLとは異なるものです。

・Contrast AF
レンズを前後に動かし、最もコントラストが高いシーンを判別してフォーカスを合わせます。
PDAFよりもフォーカスが遅く、動体被写体にも弱いため、主にローエンドのイメージセンサーで採用されています。

・カラーフィルター (Color Filter Array / CFA)
イメージセンサーの各画素上に置かれた、色情報を取得するためのフィルター。
RGB Bayer (RGGB) 構造が最も広く普及しており、これは2×2のピクセル内にRedがひとつ、Greenが2つ、Blueを1つ含みます。
より感光性能を高めるためのRYYBやRGBWもあります。

・トランスファーゲート (TG)
トランスファーゲートは、フォトダイオード(PD)からフローティングディフュージョンノード(FD)への移動を制御します。

トランスファーゲートを通過できる最大電荷数は、イメージセンサーのパフォーマンスに大きな影響を与えます。トランスファーゲートをより多くの電子が通過できるようになれば、ピクセル内のフォトダイオードのサイズの大型化が可能になります。

トランスファーゲートの最大伝達容量は、ダイナミックレンジなどの複数の画質パフォーマンス指標に影響を与えることが知られています。

参考 : www.sony-semicon.com / semiconductor.samsung.com / www.ovt.com / www.techinsights.com / zhuanlan.zhihu.com / www.kimovil.com / answer168.pixnet.net / www.researchgate.net / journals.plos.org

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