Google Pixel 9シリーズ正式発表
Googleは、8月14日に開催されたMade By Google 2024イベントにて、最新のGoogle Pixel 9シリーズを発表しました。
例年よりも2ヶ月ほど早く発表された同シリーズは、「Pixel 9 / Pixel 9 Pro / Pixel 9 Pro XL」と、折り畳みスマホ「Pixel 9 Pro Fold」の4機種で構成されています。(Foldの詳細は別記事)
1度のイベントで発表された数としては おそらく最多であり、今回から、大画面モデルである「XL」が復活。
一方、昨年まで大画面サイズとしての立ち位置を担っていた「Pro」バージョンは、今回からはコンパクトサイズに仲間入りします。
このようなラインナップは、iPhoneでいうところの Pro / Pro Maxとよく似ていますね。
ラインナップだけでなく、デザインに関しても ややiPhoneやGalaxyに近い形に変更され、全体がフラットでカクカクした見た目に変わっています。
Pixel 9シリーズのスペック
ディスプレイ
ディスプレイは全モデルで一貫して改良されており、Pixel 9では最大2700nits、Pixel 9 Proと9 Pro XLでは最大3000nitsのピーク輝度を実現しています。
画面サイズはPixel 9とPixel 9 Proが6.3インチ、Pixel 9 Pro XLが6.8インチの大画面を搭載。
また、Pixel 9のLTPOディスプレイは60〜120Hzのリフレッシュレートに対応し、Pixel 9 Proと9 Pro XLはコンテンツに応じて1〜120Hzで動的に変化します。
しかし、残念ながら、GoogleはPWMレートを改善しませんでした。
Pixel 9シリーズは全モデルで240Hz PWM調光を採用しており、Pixelは現在、主要なフラッグシップスマートフォンの中で最も遅いPWMレートとなっています。
ディスプレイの下には、従来の光学式指紋センサーに代わって、超音波式指紋センサーが搭載されています。
Google Pixelの指紋認証にはネガティブな意見が多かったですが、超音波指紋認証によって改善するか否か、長期使用レビューを見るのが楽しみですね。
SoCとRAM/ROM
今回のPixel 9シリーズに搭載されたGoogle Tensor G4プロセッサーは、アプリの起動速度が17%向上し、ウェブブラウジング速度が20%向上するなど、少し改善しています。
Tensor G4に関してはそれ以外のパフォーマンスには特に触れられておらず、公式サイト内でも処理速度向上やAI性能向上などの謳い文句は一切何も書かれていません。
例えばPixel 9 Pro/XLのページには「最も速く、最もプロにふさわしい性能」と記載されていますが、具体的な数字は何も書いていません。
このことから、GoogleはTensor G4のパフォーマンスには自信が無いことが伺えます。つまり、パフォーマンスの向上を期待してPixel 9シリーズを買うと後悔する可能性が高いでしょう。
一方で、Pixel9シリーズ全てのモデルにおいて、メモリ容量(RAM)は大幅に増えています。
具体的には、Pixel 9が12GB / Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLは16GBに増加しました。
ストレージについてはPixel 8シリーズと変わっておらず、Pixel 9は128GB / 256GB、Pixel 9 Pro/XLは128GB / 256GB / 512GB / 1,024GB。
カメラ性能
Pixel 9では、50MP F1.68のメインカメラと48MP F1.7の超広角カメラを搭載。
昨年のPixel 8は12MPの超広角カメラだったため、Pixel 9の超広角は大きなアップグレードと言えるでしょう。
上位機種のPixel 9 Pro/XLは、50MP F1.68のメインカメラ、48MP F1.7の超広角カメラ、48MP F2.8のペリスコープ望遠カメラを搭載。
全てのモデルで同一のメインカメラを搭載しており、おそらく昨年と同じISOCELL GNKを採用しています。
また、Proシリーズは42MPの高画素インカメラを搭載し、Pixel 8 Proから大幅に画素数が増え、センサーサイズも大きくなりました。
Pixelシリーズの特徴はソフトウェアであり、今回もAIを活用した写真編集機能が強化されています。
- Add Me機能 (日本版は「一緒に写る」: グループ写真を撮った後、AIがシーンを再現し、まるでその場にいたかのように写真を撮影できる機能です。スマートフォンを円を描くように動かすことでシーンをスキャンし、その後、写真に写りたい人がフレームの中に立つと、まるで最初からそこにいたかのように自然な合成写真を作成できます。
- Magic Editor機能 (日本版は「編集マジック」: 写真の一部をAIで生成したコンテンツに置き換えることができる機能です。例えば、写真の背景を海や星空などに自在に変えることができます。
- Auto Frame機能: 写真の構図を自動で調整し、より魅力的な写真にすることができる機能です。AIが写真の構図を分析し、複数のフレームの候補を表示します。ユーザーは、これらの候補から最適なものを選択するだけで、簡単に写真の構図を調整できます。
- パノラマモードの進化: パノラマ写真を撮影する際のユーザーインターフェースが改善され、より直感的になりました。また、Night Sight機能がパノラマ写真にも対応し、夜間のパノラマ撮影も高画質で撮影できるようになりました。
- Video Boost機能の強化: 動画の処理速度が大幅に向上し、8K動画の撮影もサポートされました。
バッテリー容量と充電速度
Pixel 9とPixel 9 Proは、バッテリー容量が4700mAhに増加し、Pixel 8の4575mAhから容量アップを実現しました。
一方、Pixel 9 Pro XLはバッテリー容量に変化はありませんが、すべてのモデルにおいて充電速度が大幅に向上しています。
Googleの発表によると、Pixel 9とPixel 9 Proは30分で0%から55%まで充電でき、Pixel 9 Pro XLは30分で0%から70%まで充電できるということです。
別売りの45W充電器を使用することで、15分で40%以上充電可能です。これは、これまでのPixelシリーズと比較して、非常に高速と言えるでしょう。
AIを活用した新しいソフトウェア機能
Gemini Live:自然な対話が可能に
Pixel 9シリーズには、Gemini Liveという新しい機能が搭載されています。
これは、Geminiと自然な会話ができる機能で、まるで人間と対話しているかのような感覚を味わうことができます。
Gemini Liveは、Pixel 9シリーズ限定の機能であり、ユーザーはGeminiに質問したり、話題を変えたり、中断したりといった自然な対話を楽しむことができます。
スクリーンショット機能の進化
Pixel 9シリーズでは、スクリーンショット機能も大幅に進化しています。
スクリーンショットを撮影すると、AIがその内容を解析し、関連する情報を表示する機能が搭載されています。
例えば、オリンピックの閉会式に関する検索結果のスクリーンショットを撮影すると、カレンダーにイベントを追加するボタンが表示されるなど、ユーザーの利便性を向上させる機能が提供されます。
さらに、新しいPixel Screenshotsアプリでは、撮影したスクリーンショットを管理し、過去のスクリーンショットを検索することができるようになります。
Pixel Weatherアプリの刷新
Pixel 9シリーズには、新しいPixel Weatherアプリが搭載されています。
このアプリでは、AIが生成した天気の概要が表示され、詳細な情報については、従来のグラフや統計情報を確認することができます。
Pixel Studioアプリ
Pixel Studioは、AIを活用して画像を生成するアプリです。
テキストを入力するだけで、さまざまな画像を作成することができます。また、フライヤーやメモ、スタンプなども作成することも可能です。
Call Notes機能:通話内容の自動要約
Call Notes機能は、通話の内容を自動的に要約し、テキスト化します。
Pixel Recorderアプリの技術を応用しており、通話終了後に要約とトランスクリプトを提供します。ただし、この機能を使用するには、通話開始時にユーザーが手動でアクティベートする必要があり、相手方に録音と転記が行われていることを通知する必要があります。
価格と発売日
Google Pixel 9 : 128,900円 (+16,000円値上げ)
Google Pixel 9 Pro : 159,900円 (+0円)
Google Pixel 9 Pro XL : 177,900円
全機種8月22日発売
Pixel 9シリーズの価格はかなり高く、以前のような「コスパが良いスマホ」というイメージは完全にゼロです。
Pixel 9に関しては、iPhone 15よりも高い値段です。Pixel 9 ProやXLはiPhone 15 Pro/Pro Maxよりちょっとだけ安いですが、スペックの割に高いことには変わりません。
特に、今回のTensor G4の進化の少なさは本当に酷いため、Pixel 9シリーズを買うのは微妙です。
参考 : store.google.com