Snapdragon 8 Eliteの最新情報総まとめ

snapdragon 8 elite
    目次

    Snapdragon 8 Eliteが10月に発表

    snapdragon 8 elite

    Qualcommは、2024年10月下旬に開催予定の年次イベント「Snapdragon Summit」に向けて、着々と準備を進めています。

    このイベントの目玉となるのは、次世代のフラッグシッププロセッサ「Snapdragon 8 Elite (旧Snapdragon 8 Gen 4)」です。

    Snapdragon 8 Eliteは、従来の漸進的なアップグレードとは一線を画し、QualcommのフラッグシップSoCにとって非常に大きな転換点となることが予想されています。

    同社は今回、この新しいチップの開発において、アーキテクチャを根本的に見直し、全体を一から再設計していると報じられています。

    この取り組みにより、Snapdragon 8 Eliteは前モデルと比較して、飛躍的な性能向上を遂げると期待されているのです。

    この記事では、この次世代フラッグシップSoC「Snapdragon 8 Elite」が、具体的にどのような進化を遂げ、ユーザーにどのような利点やメリットをもたらすのかについて、最新のリーク情報をもとに詳しく解説していきます。

    1. CortexからQualcomm独自コアへ

    snapdragon 8 elite

    Snapdragon 8 Eliteにおける最大の変更点は、これまで使用されていたCortexコアから、Qualcomm独自のOryon CPUコアへの移行です。

    この新しいOryonコアは、同社が開発した最新のPC向けチップ「Snapdragon X Elite」および「Snapdragon X Plus」などに搭載されているものと同じコアです。

    しかし、現在のPC向けOryonコアがそのままスマートフォン向けに使用される可能性は低いと考えられています。

    スマートフォン向けには、これらのコアがスケールダウンされた新しいバージョンが採用される見込みです。

    その際、Qualcommがどの程度設計を削減し、スマートフォンに最適化するのかは現時点では不明ですが、Oryonコアが持つ高い性能は大いに期待されます。

    2. TSMC 3nmで製造

    snapdragon 8 elite

    Snapdragon 8 Eliteは、TSMCのN3Eノードを使用した3nmプロセスで製造される予定です。

    これにより、前世代のSnapdragon 8 Gen 3の4nmプロセスと比較して、性能と電力効率が大きく向上することが予想されます。

    3nmプロセスでは、同じチップ面積により多くのトランジスタを収容することができるため、より高い処理能力を発揮しつつ、消費電力が削減されるとされています。

    理論的には、3nmプロセスのトランジスタは、同じタスクを実行する際に4nmプロセスよりも消費電力が少なくなるため、効率的な運用が期待されます。

    しかし、この技術的な進歩にはコストの増加が伴うことも事実です。

    アナリストのミンチー・クオ氏は、Snapdragon 8 Eliteの価格は前世代のSnapdragon 8 Gen 3と比較して、**25~30%**の上昇が予測されていると述べており、これに伴い、新しいSoCを搭載したスマートフォンも高価になる見通しを示しています。

    3. コア構成が2+6の計8コアに変更

    snapdragon 8 elite

    アーキテクチャとノードの変更に加え、Snapdragon 8 EliteのCPUコア構造も大きく変わる予定です。

    現行のSnapdragon 8 Gen 3は、1つの高性能コア、3つのミッドレンジコア、4つの低電力コアを備えた1+3+4のクラスタ設計を採用していました。

    これに対し、Snapdragon 8 Eliteは2+6設計に移行し、低電力コアを完全に廃止する予定です。

    GizmoChinaによると、2つの高性能Oryonコアが4.26GHzで動作し、6つのCortex-A725コアが2.8GHzで動作するとのことです。

    昨年、MediaTekはDimensity 9300で低電力コアを含めないこのアプローチを既に採用しており、Qualcommもそれに続くようです。

    5. GPU性能が底上げ

    snapdragon 8 elite

    Snapdragon 8 Eliteには、新しいAdreno GPU、具体的にはAdreno 830が搭載されることが予想されています。

    この新しいGPUは、以前のモデルと比べてさらに強化されたグラフィックパフォーマンスを提供することを目指しており、特にGPUアーキテクチャの革新が期待されています。

    現時点では、Adreno 830の詳細な仕様についてはまだ明確な情報が少ないものの、報告によれば、新しいアーキテクチャが採用されることにより、GPUの利用効率が大幅に向上するとされています。

    また、これに加えて、最新のメモリ圧縮アルゴリズムが実装され、データ転送の効率がさらに高まると見込まれています。

    この技術的な進歩により、グラフィックス処理がよりスムーズになり、複雑なゲームや高解像度の映像処理においても優れたパフォーマンスを発揮することが期待されます。

    パフォーマンスの向上は、ベースパフォーマンスからピークパフォーマンスに至るまで、全体的な処理速度に寄与すると考えられています。

    これにより、Snapdragon 8 Eliteを搭載したデバイスは、より高いグラフィックス負荷に対応でき、ゲーマーやクリエイターなど、パフォーマンスを重視するユーザーにとって大きな魅力となるでしょう。

    しかし、パフォーマンスの向上には、電力消費の増加という側面も伴います。

    新しいGPUアーキテクチャとその機能強化に伴い、処理能力が向上する一方で、電力消費量も増加する可能性があるとのことです。

    このため、バッテリーの持続時間や充電効率など、電力管理の重要性も増すことが予想されます。

    その結果、今後のフラッグシップスマートフォンでは、より大容量のバッテリーが搭載される必要があると考えられています。

    ユーザーが日常的に高いパフォーマンスを享受できる一方で、長時間の使用に耐えるためには、バッテリー容量の増加が欠かせない要素になるでしょう。

    6. DLSSフレーム生成機能搭載

    snapdragon 8 elite

    Snapdragon 8 Eliteの新機能として、DLSSフレーム生成技術の搭載が噂されています。

    この技術は、低解像度で表示された画像をAIを利用して高解像度に変換し、GPUの負荷を軽減しつつ、フレームレートの向上を実現することを目的としています。

    DLSS(Deep Learning Super Sampling)は、元々PC向けのGPUに搭載された技術であり、画像のクオリティを保ちながら処理負荷を削減するために広く利用されてきました。

    もしSnapdragon 8 Eliteがこの技術を搭載すれば、スマートフォンにおいても高負荷なグラフィックス処理を効率的に軽減し、よりスムーズなゲーム体験が実現することが期待されます。

    さらに進化したDLSSフレーム生成機能は、AIが新しいフレームを生成することにより、より高いフレームレートを実現します。

    これにより、プレイヤーが体感するゲームの滑らかさが大幅に向上し、特に高フレームレートが求められるゲームにおいて、その効果が顕著に現れることが予想されます。

    ただし、DLSSフレーム生成技術には欠点も存在します。

    フレームレートが低い状況では、AIが生成するフレームに誤りが生じやすくなり、これが視覚的なノイズや粗さを引き起こす原因となることがあります。

    そのため、安定した高フレームレートが確保できていない環境では、効果が限定的となり、逆にプレイ体験を損なう可能性も考えられます。

    総じて、DLSSフレーム生成機能はスマートフォンのゲーム体験を向上させる大きな可能性を秘めていますが、その最適な活用には条件に応じた工夫が求められる技術であると言えるでしょう。

    7. ベンチマークスコアは圧倒的数値

    snapdragon 8 elite

    ベトナムのフォーラム「Voz」によれば、Snapdragon 8 EliteのAnTuTu v10スコアは3,133,570点に達したと報じられています。

    このスコアは、これまでのスマートフォン用SoCのスコアを大きく上回るものであり、非常に高いパフォーマンスを示しています。

    例えば、Snapdragon 8 Eliteの前モデルであるSnapdragon 8 Gen 3やDimensity 9300は、AnTuTuで約200万点前後を記録しており、さらに、iPhone 15 Pro MaxのA17 Proは160万点前後となっています。

    これらの現行フラッグシップSoCと比較すると、Snapdragon 8 Eliteのスコアは圧倒的な高さを誇ります。

    このスコアの高さは、8 Eliteの性能が他のプロセッサと比較していかに優れているかを物語っており、スマートフォン市場における次世代の競争力を示唆しています。


    snapdragon 8 elite

    Snapdragon 8 EliteのGeekbench 6ベンチマークスコアが既に登録されており、シングルコアで2,884点、マルチコアで8,840点を記録しています。

    これに対して、Snapdragon 8 Gen 3を搭載したGalaxy S24 Ultraは、シングルコア2,150点・マルチコア6,716点となっており、Snapdragon 8 Eliteはどちらのスコアも1.3倍ほど高い結果を示しています。

    このスコアの向上は、Snapdragon 8 Eliteが新しいアーキテクチャと最先端技術を搭載していることを示しており、次世代スマートフォンの性能向上が期待されます。

    最初に搭載する機種はXiaomi 15

    snapdragon 8 elite

    初期のリークによると、Xiaomi 15シリーズがSnapdragon 8 Gen 4を搭載した最初のスマートフォンになる可能性が高いとのことです。

    Xiaomiに続いて、OnePlus 13およびiQOO 13シリーズも同様にSnapdragon 8 Gen 4を搭載する予定です。

    さらに、XiaomiのサブブランドであるRedmiも、Redmi K80シリーズからSnapdragon 8 Gen 4を搭載したスマートフォンを開発しているとのことです。

    また、Galaxy S25シリーズ、Galaxy Z Fold 7、Galaxy Z Flip 7、Xperia 1 VIIも、新しいSnapdragon 8 Gen 4チップを採用します。

    参考 : www.androidpolice.com / www.gizmochina.com / voz.vn / browser.geekbench.com

    #snapdragon 8 gen 4 性能 / #snapdragon 8 gen 4 oryon / #snapdragon 8 elite

    よかったらシェアしてね!
      目次