Pixel 9a vs Pixel 9

「Google Pixel 9a」の登場により、Pixel 9シリーズのラインナップがついに出揃いました。
Pixel 9aはPixel 9シリーズで最も安いモデルとして、128GBモデルは499ドルで発売する予定です。
この価格設定は、1つ上に位置するモデル「Pixel 9」よりも300ドル安いです。
これほど大きな価格差がある廉価モデルのスマートフォンにおいて、気になるのは「何が削られたのか?」でしょう。
例えば、AppleのiPhone 16eはMagSafeを廃止し、カメラもシングル構成に留まり、価格は599ドルに設定されています。
一方で、Pixel 9aは499ドルとさらに求めやすい価格を実現していますが、そのためにどのような仕様変更が行われたのでしょうか。
今回の記事では、Google Pixel 9aとPixel 9の基本的なスペックを比較し、どちらを買うべきかについて詳しく解説していきます。

5,100mAhの大容量バッテリーを搭載
スマートフォン選びで特に重視される要素のひとつがバッテリー性能です。この点において、Pixel9aは優れた仕様を誇ります。
Pixel9aに搭載されているバッテリー容量は5,100mAhで、最上位機種であるPixel 9 Pro XLの5,060mAhを上回るサイズです。
また、Pixel 9およびPixel 9 Proの4,700mAhと比較しても、明らかに大容量化されており、長時間の使用にも耐えられる設計となっています。
ただし、充電速度については上位モデルと比べて控えめになっています。
Pixel 9aの有線充電は最大23Wで、Pixel 9が対応する27W充電にはわずかに及びません。(とはいえ、この程度の差なら体感的な違いはほぼ無いはず)
また、ワイヤレス充電は最大7.5Wとなっており、Pixel 9シリーズの15W充電と比べると半分の速度になります。
新イメージセンサー「GN8」

Pixel 9aは、他のPixel 9シリーズと比べてカメラ性能が一歩譲る仕様になっています。
これは、一定以上のカメラ性能を求めるユーザーたちは、上位機種に対する追加コストを許容する傾向にあるためです。
ただし、Pixel 9aのカメラは貧弱なものではなく、499ドルの価格を考えれば十分な性能を備えています。
メインカメラは48MPのISOCELL GN8イメージセンサーを採用し、センサーサイズは1/2.0インチ。
センサー自体は新しくなりましたが、前世代のPixel 8aが64MPセンサーを搭載していたことを考えると、画素数は減少しています。
しかし、新たにマクロフォーカス機能が追加されており、近接撮影時のフォーカス精度が向上しているとのこと。
一方、Pixel 9のメインカメラは50MPで1/1.3インチのISOCELL GNKを採用。
このイメージセンサーがどれくらいの大きさかというと、Pixel 9aの2.34倍の面積を誇ります。
一般的に、センサーサイズが大きいほどダイナミックレンジが広く、写真がより高精細になり、低照度時のノイズも減少します。
Pixel 9aのカメラ性能も悪くはありませんが、Pixel 9に比べれば大きな差がある部分と言えるでしょう。
次に、超広角カメラを見てみましょう。
Pixel 9aの超広角カメラは13MPセンサーを搭載し、Pixel 9では48MPセンサーを搭載しています。
センサーサイズもPixel 9のほうが大きく、Dual Pixel全画素PDAFにも対応しているため、ここについてもPixel 9に軍配が上がります。
ほぼすべてがフラットなデザイン

Pixel 9aの背面デザインは、他のPixel 9シリーズとは異なり、カメラユニットがほぼフラットな仕上がりになっています。
フラッグシップモデルでは、高性能なカメラを搭載するために分厚いカメラバンプを許容するのが一般的な設計ですが、Pixel 9aではこの点が見直され、ほぼ本体と一体化したデザインになっています。
厳密には「爪がひっかかる程度のわずかな段差」があるものの、Pixel 9やPixel 9 Proの大きなカメラバンプと比べると、圧倒的にフラットな仕上がりになっています。
ただ、このデザインが美しいかと言われれば全くそんなことは無いですし、横長のカメラバンプはPixelシリーズの特徴でもあったため、Pixel 9aのデザインはどこか異質感が否めません。

上位機種に迫る性能のディスプレイ

Pixel 9aのディスプレイはPixel 9とほぼ同じ仕様を持ちながらも、いくつかの点でコスト削減が図られています。
両モデルともに6.3インチのActuaディスプレイを搭載し、解像度はFull HD+、リフレッシュレートは60Hzから120Hzの可変式、最大輝度は2,700nitに達します。
ただし、Pixel 9aでは保護ガラスに旧世代のGorilla Glass 3が採用されており、Pixel 9のGorilla Glass Victus 2と比べると耐衝撃性に劣ります。
これは前世代のPixel 8aと同じ仕様であり、落下時のリスクを考えると、より強度の高いガラスが望ましかったと言えるでしょう。
また、コントラスト比はPixel 9が2,000,000:1以上であるのに対し、Pixel 9aは1,000,000:1と低く、理論上は黒の表現や色のメリハリがやや劣る可能性があります。
さらに、Pixel 9が通常のOLEDパネルを採用しているのに対し、Pixel 9aはpOLEDパネルを使用しており、パネルの種類にも違いがあります。
とはいえ、ディスプレイの基本性能はPixel 9と非常に近く、実際の使用感も大きく変わらないと考えられます。
SoCはTensor G4の低スペック版

Pixel 9aはPixel 9と同じくTensor G4 SoCを搭載しており、セキュリティチップとしてTitan M2も備えています。
これにより、アプリやゲーム、AI機能においてPixel 9と同等のパフォーマンスが期待できます。
しかし、Pixel 9a用のTensor G4は、コストカットのために複数の施策が設けられています。
具体的には、通信モデムを旧型の物に乗せ換えたり、パッケージング技術を安価な物へと変更するなど。
これらのより詳細な違いについてはあまり情報がありませんが、旧型通信モデムは発熱に問題を抱えていたり、安価なパッケージング技術は熱がこもりやすい点が指摘されています。
そのため、Pixel 9aはPixel 9よりも長時間の高負荷作業に弱く、ぶっ通しでゲームをやったりするには不向きです。
どちらを買うべきなのか
コストパフォーマンスを重視するなら、Pixel 9aは間違いなくPixel 9よりも優れた選択肢と言えるでしょう。
最大の魅力は、Pixel 9とほぼ同等のパフォーマンスとAI機能を備えながら、より長持ちするバッテリー、軽量なデザイン、そして手頃な価格を実現している点です。
Pixel 9aとPixel 9の圧倒的な違いといったらカメラ性能くらいで、それ以外の部分では拮抗している印象です。
Pixel 9を選ぶべき理由があるとすれば、何らかの特別な割引価格で購入できる場合や、Pixel 9aのデザインが好みに合わない場合、もしくは高性能なカメラを求める場合くらいでしょう。
もともとPixel 9のコスパが相当微妙ということもあって、Pixel 9aの登場はユーザーにとって非常に魅力的と言えます。
参考 : store.google.com



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