Google Pixel 8a vs SONY Xperia 10 VI
「Google Pixel 8a」と「SONY Xperia 10 VI」は、どちらも今年5月に発表されたスマートフォンです。両機種ともに7万円前後の価格帯に属しているため、どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いでしょう。
この比較記事では、価格帯が似通っているGoogle Pixel 8aとXperia 10 VIの2機種を徹底的に比較し、どちらが購入者にとってより満足のいく選択となるかを探っていきます。
それでは、両機種の性能や特徴をひとつひとつ見ていきましょう。
両機種のスペックを比較
Google Pixel 8a | SONY Xperia 10 VI | |
---|---|---|
ディスプレイ | ・6.1インチ ・OLED ・1080 x 2400px / FHD+ ・PPI430 ・120Hz ・可変式リフレッシュレート対応 ・ピーク輝度2,000nits / HDR時1400nits ・HDR ・画面占有率81.6% | ・6.1インチ ・OLED ・1080 x 2520px / FHD+ ・PPI449 ・60Hz ・輝度不明 ・HDR10 ・画面占有率82.5% ・10bit |
本体サイズ | ・152.1 x 72.6 x 8.9mm ・188g | ・155 x 68 x 8.3 mm ・164g |
SoC | ・Tensor G3 ・SAMSUNG 4nm ・3.4GHz ・Exynos 5300i ・1x 2.91 GHz – Cortex-X3 ・4x 2.37 GHz – Cortex-A715 ・4x 1.7 GHz – Cortex-A510 ・ARMv9-A | ・Snapdragon 6 Gen 1 ・SAMSUNG 4nm ・2.2GHz ・Exynos 5300i ・4x 2.2 GHz – Cortex-A78 ・4x 1.8 GHz – Cortex-A55 ・ARMv8.2-A |
Antutu ver.10 | ・1,080,000点 | ・500,000点 |
GeekBench6 | ・シングルスコア 1,600点 ・マルチスコア 4,000点 | ・シングルスコア 940点 ・マルチスコア 2,700点 |
バッテリー | ・4,492mAh ・有線18W / ワイヤレス充電7.5W | ・5,000mAh ・有線18W ※ワイヤレス充電非対応 |
メインカメラ | ・64MP ・IMX787 ・1/1.7インチ ・ƒ/1.9 ・0.8µm ・4in1ビニング時1.6µm | ・48MP ・IMX582 ・1/2.0インチ ・ƒ/1.8 ・0.8µm ・4in1ビニング時1.6µm |
超広角カメラ | ・13MP ・IMX712 ・1/3.0インチ ・f/2.2 ・1.12µm | ・8MP ・Hi846 ・1/4.0インチ ・f/2.2 ・1.12µm |
望遠カメラ | ・なし | ・なし |
メモリ/ストレージ | ・8GB+128GB ・8GB+256GB (LPDDR5X + UFS3.1) | ・8GB+128GB (LPDDR5 + UFS3.1) |
価格 | 72,600円 | 70,000円前後 (ヨーロッパでは399EUR。約6.7万円) |
発売日 | 2024年5月14日 | 2024年7月 |
デザイン
デザイン面において、Google Pixel 8aとSony Xperia 10 VIは、それぞれ異なるアプローチを明確に打ち出しています。
Pixel 8aは、角が丸みを帯びたフォルムを持ち、ディスプレイ上部の中央にパンチホール型フロントカメラを搭載しています。
一方、Xperia 10 VIはパンチホールではなく、上下のベゼルを厚めにして、その中にフロントカメラを埋め込む設計を採用しています。
両機種ともにフラットディスプレイを備えていますが、物理ボタンの配置が異なっています。
Pixel 8aでは電源ボタンが音量ボタンの上に配置されているのに対し、Xperia 10 VIでは音量ボタンが電源ボタンの上に配置されています。
また、Xperia 10 VIは、ディスプレイサイズこそPixel 8aと同じでありながら、より縦長なデザインを採用しています。
この縦長のデザインにより、アスペクト比が高く、Pixel 8aに比べて横幅が狭く、全体的に薄型になっています。
さらに、重量面でもXperia 10 VIは際立っており、164gという軽さは、Pixel 8aの188gと比較すると大きな差を感じさせます。
Xperia 10 VIの軽量さの一因は、その本体の素材にあります。
Xperia 10 VIは、背面とフレームの両方がプラスチック製であるのに対し、Pixel 8aは背面がプラスチック製でありながら、フレームには金属が使用されています。
また、Pixel 8aではカメラユニットの突起部分が金属で覆われており、全体として高級感が漂います。
背面デザインにも大きな違いがあります。
Pixel 8aは、背面左端から右端まで横長のカメラユニットを配置し、その中に2つのカメラレンズが収まっています。
一方、Xperia 10 VIは、背面左上に縦長のカメラユニットを設け、こちらも2つのカメラレンズが縦一列に並んでいます。
防水防塵性能については、両機種とも備えていますが、等級に差があります。Pixel 8aはIP67等級に対応している一方、Xperia 10 VIはより高いIP68等級を誇ります。
総合的に見て、Google Pixel 8aは近年のデザイントレンドを反映しており、モダンで洗練された印象です。
対照的に、Xperia 10 VIのデザインは、どこか古いスタイルを感じさせるものの、軽量で扱いやすい点が魅力です。
ディスプレイ
まず、ディスプレイの比較から見ていきましょう。
Google Pixel 8aは6.1インチのFHD+ (2400 x 1080) OLEDディスプレイを搭載しています。このディスプレイは完全にフラットな構造で、HDRコンテンツにも対応しており、鮮やかな映像が楽しめます。
また、リフレッシュレートは120Hzと高く、動きの滑らかさが特徴です。ピーク輝度は2,000nitsにも達し、屋外でも視認性が非常に高い点が強みです。
アスペクト比は20:9で、画面占有率は81.6%に達しています。さらに、ピクセル密度は430PPIで、ディスプレイの保護にはGorilla Glass 3が使用されています。
一方で、Sony Xperia 10 VIも同じく6.1インチのOLEDディスプレイを採用していますが、こちらは10億色以上の色表示が可能で、HDR10コンテンツにも対応しています。
しかし、リフレッシュレートは60HzとPixel 8aと比べるとやや低く、高リフレッシュレートによる滑らかさには劣ります。
アスペクト比は21:9で、画面占有率は82.5%と若干高めですが、Pixel 8aに比べて縦に長いデザインです。
ピクセル密度は449PPIと高く、細かい表示に優れています。また、保護ガラスには上位グレードのGorilla Glass Victusが採用されており、耐久性がより高いです。
両機種ともに発色が鮮やかで、タッチ操作の反応も良好ですが、比較するとGoogle Pixel 8aが優勢に感じられます。
特に、Pixel 8aは2,000nitsの輝度と120Hzの高リフレッシュレートを持つため、日常使用やコンテンツ視聴時において、より滑らかで見やすい表示が可能です。
一方で、Sony Xperia 10 VIはディスプレイ保護性能において優れており、特に耐久性を重視する方には魅力的です。
Pixel 8aのGorilla Glass 3は傷が付きやすいため、画面保護フィルムを装着することを強くお勧めします。
パフォーマンス
性能面では、Google Pixel 8aが圧倒的な優位性を誇ります。
Pixel 8aは、4nmプロセスで製造されたGoogle Tensor G3プロセッサを搭載しており、8GBのLPDDR5X RAMとUFS 3.1の高速ストレージを組み合わせています。
これに対して、Xperia 10 VIは、同じく4nmプロセスを採用するSnapdragon 6 Gen 1プロセッサを搭載し、8GBのLPDDR5メモリと128GBのUFS 3.1ストレージを搭載しています。
性能面で見れば、Pixel 8aの方が圧倒的に高いことがわかります。AntutuスコアではXperia 10 VIの約2倍、GeekBenchのスコアも1.5倍ほど高い数値を記録しました。
それでも、どちらのスマートフォンも日常的な使用においては非常に快適なパフォーマンスを提供します。
アプリの起動、マルチタスクの処理、ウェブブラウジング、動画視聴など、一般的なタスクに関しては両機種ともスムーズにこなすことができます。
とはいえ、どちらもミッドレンジのスマートフォンであるため、ハイエンドなゲームやGPUに負担のかかる処理には向いていません。
もちろん、軽めのゲームであれば問題なくプレイできますが、最新の3Dグラフィックを駆使したゲームは避けた方が良いでしょう。
カメラ
背面カメラの性能について、両機種はデュアルカメラ構成を採用していますが、センサーサイズや画質に関しては、Pixel 8aが圧倒的に優れています。
Pixel 8aは、64MPのメインカメラと13MPの超広角カメラを搭載しており、Xperia 10 VIは48MPのメインカメラと8MPの超広角カメラを搭載しています。
センサーサイズの差を考慮すると、Pixel 8aが一歩リードしているのは明らかです。
実際にレビューを見てみると、Pixel 8aのカメラはその性能の高さが際立っています。Google Pixelシリーズならではの特徴が色濃く反映されており、コントラストが高く、鮮やかでディテールがしっかりと表現された、非常にバランスの良い写真が撮影できます。特にHDR撮影の精度が高く、非常に信頼性のあるカメラ性能を誇ります。
一方、Xperia 10 VIのカメラは、どうしても暗めの写真が多くなりがちです。影の部分が潰れてしまうことがあり、コントラストが強すぎて不自然な色合いになることもあります。また、彩度が高すぎることがあるため、写真全体がやや不自然に見えることもあります。さらに、シャープネスが強すぎて、細部が不自然に浮き立つこともしばしば見受けられます。
超広角カメラについても、Xperia 10 VIは全体的にソフトな仕上がりとなり、クオリティが高いとは言えません。Pixel 8aの超広角カメラの方が、明らかに優れた画質を提供しています。
低照度撮影のシーンでは、Xperia 10 VIのカメラはコントラストが強すぎ、ノイズが目立つことが多いです。これに対して、Pixel 8aは低照度でも全体的にバランスが良く、明るさやディテールがしっかりと保たれた写真を撮影することができます。
総じて、Xperia 10 VIのカメラ性能は非常に悪く、Pixel 8aのカメラの方が圧倒的に優れていると言えるでしょう。
バッテリー
バッテリー容量に関しては、Pixel 8aが4,492mAhを搭載しているのに対し、Xperia 10 VIは5,000mAhバッテリーを採用しています。
Xperia 10 VIの大きな特長の一つは、その優れたバッテリー持ちです。
実際に、Pixel 8aのバッテリー持ちも悪くはありませんが、Xperia 10 VIの方がより長時間使用できるため、バッテリー残量を気にせずに使用できるシチュエーションが多いです。
例えば、Android Headlinesによるテストでは、Pixel 8aは6時間以上のスクリーンオンタイムを実現しました。これに対して、Xperia 10 VIはさらにバッテリー持ちが良くなることが期待されます。
ただし、このバッテリーの持ちについては使用状況によって変動するため、あくまでも目安に過ぎません。利用するアプリや機能によって、バッテリーの消耗速度は変わります。
充電速度に関しては、どちらの機種も期待外れな部分があります。Pixel 8aは最大18Wの有線充電と7.5Wのワイヤレス充電に対応しており、Xperia 10 VIも同様に最大18Wの有線充電に対応していますが、ワイヤレス充電には対応していません。
さらに、どちらのスマートフォンも充電器が付属していない点には注意が必要です。加えて、Xperia 10 VIには充電ケーブルすら同梱されていないため、別途購入が必要になります。
このように、バッテリー面での差異は、日常的な使用において大きな影響を与える可能性があります。Xperia 10 VIの方が持ちが良いものの、充電速度の遅さや付属品の不足が少し残念な点です。
どっちを買うべきか
Google Pixel 8aの価格は72,600円で、これに対してXperia 10 VIはほぼ同等か、若干安い程度の価格が予想されます。
Xperia 10 VIの優位性は、ディスプレイ保護ガラス、軽量性、防水防塵性能、そしてバッテリー持ちの4つの点に集約されます。
これらは確かに魅力的なポイントですが、全体的に見ると、Pixel 8aが提供する性能面では圧倒的に優れていると言わざるを得ません。
特にSoCの性能においては、Pixel 8aの方が圧倒的に強力です。これに加え、カメラのハードウェアやソフトウェア処理能力も、Pixel 8aの方が遥かに優れています。
Google Pixelシリーズ特有のカメラ技術が、Xperia 10 VIでは実現できないレベルの写真品質を提供している点も、大きなポイントです。
仮にXperia 10 VIの方が少し安かったとしても、長期的に見れば、Pixel 8aを選んだ方が後悔しない選択となるでしょう。性能の差を考慮すれば、Pixel 8aの方がより満足度の高い、価値のある購入と言えるのです。
Xiaomi POCO F6 Proという選択肢
つい先日、Xiaomi Japanは新たにPOCO F6 Proを日本市場で発売しました。このモデルは、Pixel 8aやXperia 10 VIを凌駕する性能を持ち、まさに衝撃的な存在です。
POCO F6 Proは、Snapdragon 8 Gen 2 SoCを搭載しており、これにより処理能力は圧倒的に向上。
メモリは12GB + 256GB、または12GB + 512GBの構成が選べ、どちらもLPDDR5XおよびUFS 4.0規格の高速ストレージをサポートしています。
ディスプレイは6.67インチのWQHD+ Flow AMOLED DotDisplayで、ピーク輝度は4,000nitsを誇り、リフレッシュレートは120Hz。12bit(68億)カラー、3,840Hz PWM調光、HDR10+など、まさに最上級のビジュアル体験を提供します。
カメラ性能も非常に優れており、50MPのLight Hunter 800センサーが搭載され、センサーサイズは1/1.55インチ、ピクセルサイズは1.0μm(ビニング時4.0μm)です。
これにより、暗所でも鮮明な写真が撮れるだけでなく、8MPの超広角カメラと2MPのマクロカメラも備え、撮影の幅を広げています。
さらに、5,000mAhの大容量バッテリーを搭載し、120Wの急速充電にも対応。充電器と充電ケーブルが標準で付属している点も、実用面で非常にありがたいポイントです。
一方で、IP規格による防水防塵対応がないことや、重量が209gとやや重めである点はデメリットではありますが、性能面での圧倒的な強さを考慮すると、これらの欠点は大した問題ではないと言えるでしょう。
驚くべきことに、POCO F6 Proの価格は69,980円と非常にリーズナブルで、これによってPixel 8aやXperia 10 VI、さらにはAQUOS Sense8といったモデルにとっては、あまりにも強力なライバルとなりました。
参考 : www.sony.jp / store.google.com / www.androidheadlines.com
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