Google Pixel 10シリーズのスペック
SoCはTensor G5を搭載

GoogleはPixel 10シリーズの正式発表において、同社独自開発の最新SoC「Tensor G5」を搭載することを明らかにしました。
今回のモデルでは製造プロセスが大きく刷新され、従来のSAMSUNG製からTSMCの3nmプロセスへ全面的に移行しています。
これにより電力効率の改善や発熱の抑制といった面で大幅な進歩が実現されており、ユーザーにより快適な使用体験を提供することが可能に。
TSMCの3nmプロセスはAppleをはじめとする他社でも高い評価を得ており、性能と安定性の両面で優れた信頼性を持つ技術です。
Tensor G5のCPUは2+5+1構成の8コア設計を採用し、以前のGeekbench 6ベンチマークではシングルコアで2,276点、マルチコアで6,173点を記録しています。
これはSnapdragon 8 Gen 3にわずかに劣る程度で、日常的な利用では十分なパフォーマンスを発揮する数値です。
加えて、動画性能も強化されており、Tensor G5の処理能力を活かして4K 60fps HDRでの撮影に対応しました。

Pixel 10

従来、Pixelシリーズは例年10月前後に発表・発売されるのが通例でしたが、昨年のPixel 9では例外的に9月4日のリリースが実施され、ややスケジュールが前倒しされました。
そして今回のPixel 10では、さらにその動きが強まり、8月21日の発表直後から予約受付を開始し、8月28日には店頭販売がスタートする予定となっています。
この新しい販売スケジュールは、Googleが自社製品の投入タイミングをより柔軟に最適化している証ともいえるでしょう。
まずは本体サイズから見て行くと、横縦厚みは152.8 x 72 x 8.6mmという寸法で設計されています。
これは前世代のPixel 9とほぼ同一のサイズであり、ケースなどのアクセサリーが引き続き利用できる互換性を持っています。
デザインの大幅な刷新が行われていない点については、製造コストや設計面での安定性を重視した判断と考えられます。
一方で、見た目の新鮮さを重視する一部のユーザーからは物足りなさを感じる可能性もありますが、デザインの継続性はシリーズ全体の統一感を高める意図があると思われます。
ディスプレイについても、Pixel 9と同様の6.3インチを採用し、ベゼル幅や解像度に関しても大きな変更はありません。
筐体の寸法が前世代とほぼ同じであることを踏まえると、この決定は自然な流れと言えるでしょう。
特に注目すべきはカメラ構成の刷新です。Pixel 10では、無印モデルとして初めてトリプルカメラ構成を採用します。
これまでProモデルの専売特許であった望遠カメラやペリスコープズームが標準モデルにも導入され、幅広いユーザーが高倍率ズーム撮影を楽しめるようになります。
Pixel 10に搭載されるペリスコープ望遠カメラはPixel 9 Pro Foldに採用されていたものをベースにしており、10.8MP・1/3.2インチセンサー・光学5倍ズームに対応しています。
これにより、遠方の被写体も高精細に捉えることが可能となり、撮影シーンの幅が大きく広がります。
一方で、メインカメラと超広角カメラについては大幅な弱体化が施されました。
メインカメラは48MP・1/2.0インチセンサーを搭載し、コンパクトながらも十分な解像感を持つ設計となっています。
これはPixel 9aで採用されたセンサーをもとにしており、ペリスコープ望遠カメラを搭載したことによるコストのバランスを取るために、Pixel 9 (1/1/3インチ)から大きく縮小しています。
超広角カメラについては12MP構成で、Pixel 9が50MP・1/1.3インチメインカメラと48MP・1/2.55インチ超広角カメラを搭載していたことと比較すると、センサーサイズの縮小は明らかです。

Pixel 10 Pro

Pixel 10 Proの外観は、前世代モデルであるPixel 9 Proと非常によく似ており、実際に並べても違いを見分けにくいほどの近似性を持っています。
細部に目を向けると、SIMカードスロットの位置が変更されており、側面へ移動しました。
従来のスロット位置には新たにスピーカーあるいはマイクの開口部が設けられ、内部構造の最適化が図られています。
また、背面カメラガラスを囲むベゼル部分がわずかに細くなり、全体の厚みは0.1mm増加しました。
カラーラインナップはObsidian、Porcelain、Moonstone、Jadeの4色が用意されており、それぞれが上品で洗練された色調を持っています。
GoogleはPixelシリーズにおいて、毎回落ち着きと個性を両立させたカラーバリエーションを提供してきましたが、今回のPixel 10 Proでもその方向性が継承されています。
ディスプレイには6.3インチのLTPOパネルを採用し、リフレッシュレートは1Hzから120Hzまでの可変駆動に対応しています。
解像度は2856 x 1280で、ピーク輝度は最大3,000nitに達します。これにより、直射日光下でも優れた視認性を確保できるよう設計されており、日常利用から屋外での高輝度環境まで快適な表示が保証されます。
もっとも、これらのスペックはPixel 9 Proと同一であり、大きな進化は加えられていません。
メモリは16GBを搭載し、ストレージ構成は128GB、256GB、512GB、さらに最大1TBまで幅広いバリエーションが用意されます。(日本では512GBまで)
ハードウェアの基本仕様は前世代からほぼ据え置かれていますが、新たに採用されたTensor G5との組み合わせによって、若干のパフォーマンス向上が見込まれています。
ソフトウェア面では、最新のAndroid 16を標準搭載して登場します。
特に注目されているのは、Android 16 QPR1ベータで先行提供されている「Material 3 Expressive」の正式実装です。
このUI刷新がPixel 10シリーズと同時に本格導入され、Googleの最新ソフトウェア体験を真っ先に享受できるモデルとして位置づけられます。
カメラ構成については、Pixel 9 Proからの大幅な変更はなく、同じイメージセンサーが採用されています。
メインカメラにはSAMSUNG製のGNKセンサー(50MP・1/1.31インチ)、超広角カメラと望遠カメラにはSONY IMX858(48MP・1/2.55インチ)、そしてフロントカメラにもIMX858が搭載されています。
これにより、Pixel 10 ProはPixel 9 Proと同等の撮影性能を備えていますが、Googleはソフトウェア処理による最適化やAI技術の進化によって、撮影体験の質をさらに高めることを目指しています。
総合的に見ると、Pixel 10 Proはハードウェアにおける劇的な刷新はほとんどなく、デザイン・ディスプレイ・カメラ構成の多くがPixel 9 Proと共通しています。
そのため、進化点は新しいTensor G5プロセッサとQi2充電の搭載ということになります。
ただし、このTensor G5についても、競合他社の最上位チップに比べると数値上の性能では劣る部分があるのは事実です。
Pixel 10 Pro XL

Pixel10シリーズの大画面モデルとして位置づけられているPixel 10 Pro XLは、Pixel 10 Proと同様に落ち着いたトーンのカラーバリエーションが採用されており、Obsidian、Porcelain、Moonstone、Jadeの4色展開となっています。
シリーズ全体で統一されたデザインコンセプトが示されていることに加えて、特に注目されるのが新色のJadeです。
上品なゴールドフレームと組み合わせることで、柔らかく明るい印象を持たせつつも高級感を兼ね備えた仕上がりとなっており、従来のラインアップにはなかった新鮮さを提供しています。
ハードウェア構成に目を向けると、メモリはPixel 10 Proと同様に16GBが搭載され、ハイエンドモデルとしての性能を十分に引き出せる仕様となっています。
その一方で、ストレージのラインアップについてはPixel 10 Pro XL独自の調整が行われており、256GBが最低構成となりました。
さらに512GBと1TBの大容量モデルも選択でき、これまで提供されていた128GBモデルは廃止されます。(日本では512GBまで)
この変更により、Pixel 9 Pro XLでは128GBモデルが177,900円、256GBモデルが192,900円という構成でしたが、Pixel 10 Pro XLではベース容量を256GBへと引き上げることで、ベース価格を192,900円に引き上げています。
形式上は従来モデルから価格が据え置かれているように見えるものの、実質的には下位容量が削られたことで平均購入単価が上がる設計となっており、これはAppleがiPhone 15 Pro Maxで採用した戦略とも共通するものです。
さらに注目されるのはバッテリーの進化です。
Pixel 10 Pro XLはシリーズ史上最大となる5,200mAhバッテリーを備えており、大画面と高性能を備えたフラッグシップモデルとして、長時間の利用においても安心感を提供する仕様となっています。
Pixel 10 Pro Fold

前モデルで本格的に折りたたみ市場に参入したPixel 9 Pro Foldのコンセプトを踏襲しつつ、Pixel 10 Pro Foldではさらなる進化が施されています。
まず注目すべきは、バッテリー性能の大幅な向上です。Pixel 10 Pro Foldには5,015mAhの大容量バッテリーが搭載されており、競合する折りたたみ端末の中でも大型な部類です。
耐久性の面でも大きな進化が見られます。従来の折りたたみスマートフォンでは、ヒンジ部やディスプレイの可動部分に弱点が生じやすく、防塵・防水性能が一般的なスマートフォンに劣る傾向がありました。
しかしPixel 10 Pro Foldでは、IP68等級の防塵・防水性能を公式に備えており、雨天時や水回りでの使用も安心して行える設計となっています。
折りたたみ端末としては非常に稀有な耐久性を持つことから、日常利用やアウトドアでの使用においても大きな信頼性を提供します。
デザイン面では、前モデルの特徴を維持しつつ細部に改良が加えられています。
背面ディスプレイは6.4インチへとわずかに拡大され、ピーク輝度も従来の2,700nitから3,000nitに向上しました。
これにより、屋外や直射日光下でも視認性が向上し、実用性が一層高められています。レンダリング画像を見る限り、サイズの変化はさほど大きくなく、手に取って初めて違いを実感できる程度ですが、確実に使用体験の向上が図られています。
背面デザインは概ね前モデルを踏襲していますが、カラーラインアップには刷新があり、従来のObsidianやPorcelainに代わり、新たにMoonstoneとJadeの2色が導入されました。
これらのカラーはPixel 10 ProおよびPixel 10 Pro XLと統一され、シリーズ全体でのデザインコンセプトの一貫性が保たれています。
Moonstoneは青みがかったグレートーン、Jadeは柔らかなピスタチオグリーンで、いずれもこれまでのPixel Foldシリーズにはなかった華やかさを添えています。
Pixel 10 Pro Foldは、バッテリー性能、耐久性、デザイン性、そしてソフトウェアの総合力によって、高い競争力を備えた折りたたみ端末として仕上げられています。
Googleはこれまでの課題を一つひとつ丁寧に改善し、実用性と魅力を兼ね備えた製品として完成させています。
価格と発売日
Google Pixel10シリーズの発表は2025年8月21日で、同日に予約受付が開始され、日本国内においても発表直後から予約を受け付け、翌週の8月28日には店頭での販売がスタートする見込みです。
ただし、Pixel 10 Pro Foldだけは10月9日発売予定となっており、これはサプライチェーンで何かしらの遅延が起きたためと言われています。
価格はPixel9から大差なく、ベースモデルであるPixel 10は128,900円、上位モデルのPixel 10 Proは174,900円と、Pixel 10無印に関しては前モデルから据え置きの価格で提供されます。
Pixel 9が非常に好調な販売実績を記録したこともあり、この価格を維持することで既存ユーザーの買い替えを促すとともに、新規ユーザー層の獲得にも有利に働くと考えられます。
しかしながら、Pixel 10 Proは1.5万円程度値上げされており、ほとんどハードウェアスペックが変わっていないことを考えると、コスパは悪いです。
一方で、Pixel 10 Pro XLはストレージ構成の変更に伴い、128GBモデルを廃止して256GBを最低容量とする構成へ移行したことで、実質的に価格が引き上げられています。
これにより、Pixel 10 Pro XLの価格は192,900円となり、Pixel 10 Proとの差別化が明確になっています。
折りたたみ型のPixel 10 Pro Foldは、1万円値上げで267,500円となっています。いろいろと進化点が増えている割には、値上げ幅は抑えられている印象を受けますね。
結果としてPixel 10シリーズは、最廉価モデルのPixel 10aが499ドル(これはまだリーク段階ですが)で2026年春に登場、Pixel 10が128,900円、Pixel 10 Proが174,900円、Pixel 10 Pro XLが192,900円、Pixel 10 Pro Foldが267,500円で提供されることになりました。
参考 : store.google.com



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