Google Pixel 10シリーズの最新情報

2025年に登場が予定されているGoogle Pixel 10シリーズは、TSMC製3nmプロセスによって製造された新型プロセッサ「Tensor G5」の搭載をはじめ、デザイン、AI機能、ソフトウェア体験においていくつかの刷新が行われると見られています。
さらに、複数モデルにわたる価格戦略の見直しや、折りたたみモデルの展開継続、AI時代に即した新たな編集機能なども注目すべきポイントです。
本記事では、Google Pixel 10シリーズ全体の特徴やPixel 9シリーズからの変化点を、あらゆる角度から整理してお伝えいたします。

Pixel 10シリーズのモデル構成

Pixel 10シリーズには、すでに以下の4機種がGSMAの認証データベースに登録されています。
- Pixel 10:GLBW0 / GL066
- Pixel 10 Pro:G4QUR / GN4F5
- Pixel 10 Pro XL:GUL82
- Pixel 10 Pro Fold:GU0NP
これらのモデルには、それぞれ「Frankel」「Blazer」「Mustang」「Rango」というコードネームが与えられており、Googleが正式な製品化に向けて準備を進めていることが明らかになっています。
なお、Pixel aシリーズについても今後継続され、Pixel 10aは2026年春に登場予定です。

TSMC製3nmプロセス採用。しかし性能は期待外れ?

Googleは、これまで自社のSoCであるTensorシリーズをSAMSUNGと共同開発・製造してきましたが、Pixel 10シリーズよりその製造をTSMCへと全面的に移行しました。
TSMCの3nmプロセスは、SAMSUNGの同プロセスと比較しても、消費電力とパフォーマンスのバランスに優れているとされ、Appleをはじめとする多くの大手企業が採用しています。
このような背景から、Tensor G5には大きな期待が寄せられていましたが、GeekBench 6に掲載されたベンチマーク結果によると、シングルコアスコアは1,323、マルチコアスコアは4,004という結果にとどまりました。
このスコアは、同世代のSnapdragon 8 EliteやDimensity 9400、AppleのA18 Proなどと比較しても明らかに劣っており、旧世代のSnapdragon 8+ Gen 1をわずかに下回るという、期待が高かっただけに残念な性能となっています。
Tensor G5は、Cortex-X4(3.4GHz)×1、Cortex-A720(2.86GHz)×4、Cortex-A520(2.44GHz)×2という構成で、前世代のTensor G4と比べると、A720が1つ増加し、A520が1つ減少した程度のマイナーな変更にとどまっています。
このため、CPU面での大幅な性能向上は見込めない可能性が高そうです。
ただし、発熱の面では、TSMCの3nm製造技術によって改善が期待されており、安定した動作やバッテリー効率の向上といったメリットはあるかもしれません。
また、GPUはデュアルコアのDXT-48-1536 GPUが搭載され、最大1,100 MHzで動作するとされています。
レイトレーシングやGPU仮想化の対応に加え、AI性能の理論値では約40%の向上が見込まれていますが、実際のベンチマークでは14%程度に留まる可能性もあると指摘されており、こちらもやや期待外れという印象が否めません。
さらに、2025年5月にトランプ前大統領が台湾製半導体への最大100%の関税導入を示唆したことも話題となりました。
これが実際に実行されれば、TSMC製チップを搭載するPixel 10シリーズの価格に直接影響を与える恐れがあります。
デザインとディスプレイは前作を継承
Pixel 6シリーズから続いていた横長のカメラバンプ一体型デザインは、Pixel 9で大きく方向転換されました。
Pixel 9では、カメラバンプがフレームから独立し、よりシンプルかつモダンな印象を与える新しいデザインが採用。
そして、Pixel 10シリーズでもこの新デザイン言語が継続される見込みです。
これについては、既に外観に関する詳細な情報とレンダリング画像がリークされています。
この情報は、テックメディア Android Headlinesと著名リーカーのOnLeaks氏が共同で制作・公開したもので、Pixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL、そしてPixel 10 Pro Foldといった4モデルすべてのデザインや寸法の詳細が確認されています。(Pixel10aはまだ不明)
これにより、Googleの新型Pixelシリーズがどのような姿で登場するのか、その全体像がより鮮明になりました。

まず、スタンダードモデルとなるPixel 10については、6.3インチのディスプレイが引き続き採用される見込みであり、ディスプレイサイズに大きな変更はないと見られています。
ベゼルのデザインも従来通り上下左右対称の均等設計が継続されると考えられます。
Pixel 9やPixel 9 Proで採用されていたこのデザインは、視覚的なバランスの良さが評価されていた要素であり、今回のPixel 10シリーズでもその路線を踏襲する形になるようです。
本体のサイズについては、Pixel 10とPixel 10 Proの両モデルで152.8mm × 72mm × 8.6mmという寸法が確認されており、背面カメラモジュール部分の厚みを含めると、最厚部で12mmに達します。
これは、Pixel 9シリーズの8.5mmという厚みに比べてわずかに増加していますが、全体的な筐体のコンパクトさは維持されていると考えられ、手に持ったときの操作性にはほとんど影響しないレベルです。
また、Pixel 10では新たに背面にトリプルカメラが搭載されることも確認されており、これはProモデルと同様の構成となる可能性があります。
CADデータに基づく情報からは、カメラユニットのデザインがやや大型化している様子も見受けられ、撮影性能のさらなる向上が期待されます。

Pixel 10 Proモデルにおいては、ペリスコープ式の望遠カメラが引き続き搭載される見込みであり、ハイエンド機種ならではの光学ズーム性能も健在です。
Proモデルの仕様は基本的にPixel 9 Proを踏襲しており、画面サイズも同様に6.3インチが採用されます。
注目すべきは、Pixel 10とPixel 10 Proが完全に同一の筐体サイズを共有しているという点であり、この仕様はPixel 9シリーズと同様です。
このため、どちらのモデルでも共通のケースを使用できるという利便性があり、ユーザーにとってアクセサリー選びの自由度が高まるメリットがあります。
側面のフレームデザインに関しては、Pixel 10ではフラットな形状をベースとしつつも、エッジ部分がごくわずかにカーブを描いているため、手に持った際のフィット感が向上している印象を受けます。
側面の仕上げはマットな質感となっており、落ち着いた高級感を感じさせる外観に仕上がっています。
これに対し、Pixel 10 Proの側面は光沢仕上げが採用されており、こちらはPixel 9 Proと同様に指紋が付きやすいという点がやや懸念されます。
ボタン配置に関しては、Pixel 10シリーズすべてのモデルで、従来通り電源ボタンが音量ボタンの上に配置されており、Google Pixelシリーズ特有のレイアウトが引き続き採用されています。
この配置は他メーカー製のスマートフォンとは異なる点であり、ユーザーの間でも好みが分かれる部分ですが、少なくとも今回のPixel 10世代においては変更される様子は見られません。

シリーズの中で最上位モデルとなる「Pixel 10 Pro XL」についても、基本的にはPixel 9 Pro XLの仕様を踏襲する形で登場すると予想されています。
ディスプレイサイズは引き続き6.8インチを維持しており、筐体サイズは162.7mm × 76.6mm × 8.5mmと、Pixel 9 Pro XLとほぼ同等の大きさです。
違いはわずかで、高さが0.1mm程度変わったのみという非常に小さな調整にとどまっています。

Pixel 10 Pro Foldの外観は、2024年に登場したPixel 9 Pro Foldと非常によく似ており、両モデルの違いを一見して見分けることは難しいかもしれません。
今回のレンダリングでは、背面に搭載されるカメラモジュールも、Pixel 9 Pro Foldとほぼ同じサイズで描かれており、採用されるカメラセンサーも同一、もしくは少なくとも同等程度のサイズのものになる可能性が高いと予想されています。
カメラ構成自体は変更されないかもしれませんが、それでもソフトウェア処理や画像エンジンの最適化によって、画質や処理速度においては若干の向上が期待されます。
Pixel 10 Pro Foldの本体寸法は、約155.2mm × 150.4mm × 5.3mmとされており、Pixel 9 Pro Foldと比較すると、ごくわずかではありますが数値上は異なっています。
特に厚みに関しては、Pixel 10 Pro Foldの方がやや増しているようにも見えます。しかし、OnLeaks氏のこれまでのレンダリングでは、0.1~0.3mmの誤差が見られることもあり、実際の製品ではほぼ同一サイズになる可能性も十分にあります。
また、Pixel 10シリーズ全体では「ウェットタッチ」と呼ばれる、水滴が付着した状態でも快適に操作できる機能も引き続き搭載される予定です。
これにより、雨天時や手が濡れている状況下でもスムーズな操作が可能となり、ユーザビリティの向上に大きく寄与します。

カメラはハードウェア据え置き

Pixel 10シリーズに関して、カメラハードウェアの面では現時点で大きな変更が加えられる見込みは少ないものの、Googleが注力しているソフトウェア面、とりわけAIを活用した撮影後の編集体験に関しては進化が期待されています。
Pixel 10シリーズのカメラに搭載されるセンサーや光学機構など、ハードウェア的な構成については、前世代のPixel 9シリーズと同様である可能性が高いと予測されており、具体的な変更点については今のところ明らかになっておりません。
ただしPixel 10だけは例外であり、Pixel 9のデュアルカメラ構成から、ペリスコープ望遠カメラを加えたトリプルカメラ構成へとスペックアップする見込みです。
これにより、Pixel 10はPixel 9と比較してズーム性能が大幅に向上し、上位機種のPixel 10 Proとの性能差がグッと縮まります。
ソフトウェア面で特に注目されているのが、「生成AI」を活用した新たな動画編集機能です。
この機能は、ユーザーが撮影した動画を直感的かつ迅速に編集することを可能にするものです。
既に写真編集においてはAIを活用した「消しゴムマジック」などが高く評価されておりますが、今後は動画領域でも同様の革新が図られる見通しです。
加えて、Googleは写真編集においても新たなAI機能を導入することが報じられています。
特に注目されているのは、「Speak-to-Tweak(スピーク・トゥ・トゥイーク)」と呼ばれる音声入力型の写真編集機能です。
これは、Googleが開発している大規模言語モデル(LLM)技術を活用した編集支援ツールであり、ユーザーが「もっと明るくして」「背景をぼかして」といった指示を音声で与えるだけで、自動的に編集が適用されるという極めて直感的な機能となっています。
また、「Sketch-to-Image(スケッチ・トゥ・イメージ)」という新機能も加わるとされており、こちらはユーザーが手書きで描いたスケッチをAIが解析し、リアルな画像へと変換するものです。
こうした機能は、単なる写真補正を超えて、創造的なビジュアルコンテンツの生成にも貢献するものであり、クリエイター層にとっても魅力的なポイントとなるかもしれません。
さらに、「Magic Mirror(マジック・ミラー)」と呼ばれる機能の存在も明らかになっていますが、こちらについては現時点で具体的な内容はリークされていません。
また、Pixel 10シリーズは、動画撮影性能の面でも強化が予定されており、Tensor G5の処理能力によって、4K 60fps HDRでのビデオ撮影が可能になることが明らかになっています。
価格は一部モデルが値上げ。発売日はこれまでと変わらず
2025年以降のGoogleのスマートフォン価格戦略は、これまでの単純な値上げ・据え置きとは異なり、より複雑かつ多様なアプローチが取られる見込みです。
Pixel 10 Pro Foldは、前モデルであるPixel 9 Pro Foldの1,799ドルから最大200ドル以上の値下げが行われ、1,600ドル前後で登場すると噂されています。
2026年にはさらに1,499ドルまで価格が引き下げられる予定であり、これは2年間で実に300ドルの値下げとなります。
この背景には、Googleが市場でのシェア拡大を狙っていることが挙げられ、より多くのユーザーにFold端末を手に取ってもらうための戦略的価格設定だと考えられています。
一方、最上位モデルであるPixel 10 Pro XLは、さらなる差別化を図るために100ドル程度の引き上げが検討されているようです。(この場合、Pixel10 Pro XLは約1,200ドルになる)
その他のモデルは据え置きになる見込みで、Pixel 10が799ドル、Pixel 10 Proが999ドル、そしてPixel 10aは499ドルを維持します。
Pixel 10シリーズの発表は、過去の傾向やGSMAへの登録状況を踏まえると、2025年8月が有力視されています。
また、Pixel aシリーズについても春の発表サイクルが継続され、Pixel 10aは2026年春に登場することが想定されています。
参考 : www.androidheadlines.com / x.com/OnLeaks / www.androidauthority.com



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