Galaxy S26 Pro、Exynosシリーズを復活予定か
2025年初頭に登場したGalaxy S25シリーズでは、全モデルがQualcommのSnapdragonチップを搭載し、かつてのExynos依存から完全に離れた構成を取っていました。
しかしここへ来て、次期モデルとなるGalaxy S26シリーズでは再びExynosが登場するとの情報が浮上しています。
特に、SAMSUNGの新たな2nmプロセスで製造されるExynos 2600が採用されるという噂が、業界関係者の間で大きな注目を集めています。
この話題は当初、単なる推測や予想の域を出ないものでしたが、最近になって信頼性の高い情報源であるSamMobileが「Galaxy S26 ProにExynos 2600が搭載されることを裏付ける証拠を発見した」と報じました。
これにより、SAMSUNGが再び自社チップへの回帰を試みている可能性が極めて高くなったといえます。
ただし、すべての市場でExynosが採用されるわけではありません。
SamMobileによると、Exynos 2600を搭載するのは主にグローバル市場向けのGalaxy S26 Proであり、アメリカや中国といった地域では、引き続きQualcomm製のSnapdragon 8 Elite Gen 5 SoCが採用される予定とのことです。(日本でもおそらくSnapdragon 8 Elite Gen 5)
このSnapdragon 8 Elite Gen 5は2025年9月にQualcommが正式発表したばかりの最新世代チップであり、AI処理性能と電力効率の両面で前世代を大きく上回ることが明らかになっています。
SAMSUNGがこのように市場ごとに異なるチップを使い分ける戦略を採用するのは、今回が初めてではありません。
2024年のGalaxy S24シリーズでも同様に、アメリカ・カナダ・中国・日本向けモデルにはSnapdragon 8 Gen 3が搭載され、その他の地域ではExynos 2400が採用されました。
つまり、SAMSUNGにとってこの「ハイブリッド構成」は慣れた手法であり、地域ごとの需要や製造体制の最適化を目的とした現実的な選択だといえます。
Exynos 2600の歩留まり問題、ついに改善へ
SAMSUNGがこれまでExynosシリーズをフラッグシップモデルに採用することを避けてきた背景には、「歩留まり率」の低さがありました。
先端プロセスでのチップ製造では、わずかな欠陥でも製品化できないため、一定以上の歩留まりを確保できなければ大量生産は困難になります。
特にExynos 2400まではこの問題が深刻で、Snapdragonと比べて供給が安定せず、発熱面でも不利とされてきました。
しかし、韓国メディアのThe Bellによる最新報告では、次期Exynos 2600の歩留まり率がついに50%に達したとされています。
これは実用段階として十分な水準であり、量産体制が整ったことを意味します。
SAMSUNGが自社の2nm製造ラインを強化し、TSMCとの競争を見据えて技術的な課題を克服した証拠ともいえるでしょう。
RDNAアーキテクチャ採用のXclipse 960 GPU
Exynos 2600には、AMDのRDNAアーキテクチャをベースにした新しいGPU「Xclipse 960」が搭載されます。
このコラボはSAMSUNGとAMDの長年の協力関係の成果であり、モバイルグラフィックスの品質をコンソールレベルに引き上げることを目的としています。
理論上は、Xclipse 960が従来のモバイルGPUを大きく上回るパフォーマンスを実現する可能性がありますが、その真価がどこまで発揮されるかは実際の端末での動作を見なければ判断できません。
特に発熱制御やバッテリー消費とのバランスが、最終的な完成度を左右する重要な要素となるでしょう。
Galaxy S26 UltraはSnapdragon限定に
今回のExynos復活は、シリーズ全体に及ぶわけではありません。
最上位モデルとなるGalaxy S26 Ultraに関しては、すべての地域でSnapdragon 8 Elite Gen 5が採用されると報じられています。
SAMSUNGはUltraモデルに常に最高のパフォーマンスを求めており、Snapdragonチップの安定性やAI処理速度を重視しているため、この決定は自然な流れといえます。
これにより、S26 UltraはSAMSUNG史上最も高速な処理能力と、AI生成写真・動画編集機能などの強化を兼ね備えることになるでしょう。
一方、S26 Proは地域によってExynos 2600またはSnapdragon 8 Elite Gen 5を搭載し、性能の差異が発生する可能性が高いでしょう。
Galaxy S26シリーズ全体としては、カメラスペックの引き上げ、ディスプレイ輝度の向上、そしてAIを活用した撮影補正機能の拡張などが期待されています。
SAMSUNGは次世代OLEDパネルによってピーク輝度をさらに高め、屋外でも見やすいディスプレイ体験を実現する見込みです。
また、AIによるリアルタイム最適化が進化し、夜景撮影や動画処理の品質も大幅に向上するとみられています。
一方で、ユーザーの関心は「Exynos 2600がどこまでSnapdragonに迫れるか」という一点に集まるでしょう。
もし新Exynosが十分な性能と省電力性を兼ね備えていれば、SAMSUNGはこれまでExynosに向けられていた悪評を覆すことができます。
逆に期待を下回る結果となれば当然ユーザーの満足度は下がり、次の世代でもExynosを継続するのが難しくなります。
参考 : www.androidpolice.com / www.sammobile.com
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